豊島区 巣鴨さくらなみき皮膚科 痛くてお困りの方

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痛くてお困りの方

痛くてお困りの方に見られる疾患

おでき(粉瘤)
腫れてきたら早めに診察を

粉瘤(ふんりゅう)はアテローマとも言い、皮膚が毛穴の奥で袋を作り、中に老廃物や皮脂が溜まった半球状の腫瘍です。中央部には黒点状のへそのような開口部が見られることがあります。強く圧迫すると、開口部から臭いのある内容物が排出されることもあります。
耳のまわり、耳たぶ、鼠径部(そけいぶ)、背中などによくできますが、毛穴がある場所ならどこにできてもおかしくありません。
放っておくと少しずつ大きくなって目立ってくることもあります。また、あるとき突然赤くなって腫れ、痛みが出て、化膿して炎症を起こすことがあります(いわゆる「おでき」)。炎症を起こして、はじめて粉瘤に気づくことも多いです。

おでき(粉瘤)の治療

治療としては、炎症を起こしていない粉瘤の場合は、手術で除去します。炎症を起こしているようなら、抗生物質の内服をしたり、また小さく切開して膿を出したりして炎症を抑え、数か月して小さくなってから手術を行います。

たこ・うおのめ(胼胝・鶏眼)
定期的に削って治療します

たこ(胼胝)やうおのめ(鶏眼)は、特定の場所に継続的に圧力がかかることによって発症します。
たこは皮膚が常に圧迫や擦れなどの刺激によって分厚くなるものです。正座やペンを持つ刺激でできることもあります。うおのめと違って芯がなく、多くは痛みがありません。
うおのめは足の裏や足ゆびにできる硬結で、皮膚の奥の方に向かって芯のようなものがみられます。圧迫すると痛みを伴うのが特徴です。

たこ・うおのめの治療

たこもうおのめも、分厚くなった角質を削ったり切ったりして治療していきますが、同じような環境が続けば2~3ヶ月くらいで多くは再発してしまいます。足の変形や靴の形、歩行の仕方などが圧迫の原因となっていることも多く、足にあった靴を選ぶのが大切です。
あまり長い間たこやうおのめを我慢していると、皮膚に潰瘍をつくることがありますので、特に糖尿病の方や痛みを感じにくい方は注意が必要です。
また、足の裏によくできるものに足底疣贅(そくていゆうぜい)といういぼがありますが、これをうおのめと勘違いすることがあります。しかし、足底疣贅はウィルスの感染症ですので、知らずに削ると、かえって広げてしまうこともあります。この鑑別をきちんとつけるためにも、皮膚科への受診をお勧めします。

帯状疱疹
早めの治療開始が重要です

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウィルスにより発症します。子供のころにかかった水ぼうそうが治った後も、ウィルスは体内から完全に排除されるのではなく神経節に潜んでいます。加齢や疲労、ストレスなどが引き金となってウィルスに対する抵抗力が低下すると、潜伏していたウィルスが再び活動を始めて増殖し、神経を伝って皮膚に達し、帯状疱疹として発症するのです。炎症は、皮膚と神経の両方で起こっています。
症状はピリピリ、チクチクした痛みや皮膚の違和感から始まり、しばらくするとその部分が赤い斑点になり、やがて帯状の水ぶくれになって、神経痛のような強い痛みを伴うようになります。赤みや水ぶくれは頭部から下肢までの左右どちらか片側に生じます。軽い発熱や頭痛、リンパ節の腫れがみられることもあります。体部に帯状疱疹ができた場合は、体半分の肋骨に沿って発疹が帯状にみられます。

早期の皮膚科受診が大切

痛みが始まってから水ぶくれが治るまでの期間は、通常は3週間~1ヶ月くらいです。水ぶくれが治った後も長期間にわたってピリピリしたり、ズーンとひびくような痛みが残ることがあります。これを「帯状疱疹後神経痛」と言い、高齢者に多く見られます。
帯状疱疹後神経痛は、ウィルスによって神経が損傷されることが原因と考えられています。治癒までに時間がかかるほど、また発症時の痛みや皮膚症状が強いほど、帯状疱疹後神経痛に進みやすくなることが多いようです。
帯状疱疹は、なるべく早く皮膚科を受診して早期のうちに治すことが大切で、これにより帯状疱疹後疼痛の発症頻度を少なくすることができます。

帯状疱疹の治療

帯状疱疹の治療にあたっては、ウィルスの増殖を阻止して治癒を早める抗ウィルス薬の飲み薬や、対症療法として消炎鎮痛薬などが用いられます。ビタミン剤や漢方薬を併用することもあります。早めに抗ウィルス薬の服用を開始することが大切ですので、帯状疱疹が疑われた時はお早目に受診してください。
抗ウィルス薬の飲み薬は、効果が現れるまでに通常2-3日かかります。服用してすぐに効果が現れないからといって服薬量を勝手に増やしたり、途中でやめたりしないで、必ず医師の指示通りに服用してください。痛みがひどい場合は、末梢神経障害性疼痛治療薬(プレガバリン)を内服したり神経ブロック療法を行って痛みを止めたりもします。

まれに内服していても全身に発疹がひろがったり、ひどい頭痛が出現したりすることがあり、その場合は重症化しているため入院して点滴治療が必要になります。 治療開始後、多くは1週間くらいで赤みや水ぶくれが落ち着き、その後はかさぶたができて3週間程度で治ります。皮膚症状が治まった後も痛みが残ることがあり、人によっては長期間続くこともあります。

なお、帯状疱疹が他人に帯状疱疹としてうつることはありませんが、水ぼうそうにかかったことの無い乳幼児には、しばらくしてから水ぼうそうを発症させる可能性がありますので、帯状疱疹の患者様は小さな子どもとの接触を控えましょう。

帯状疱疹の予防

帯状疱疹は加齢や疲労、ストレスなどによって体の抵抗力が落ち、神経節に潜んでいたウィルスが活動し始めることで起こります。50歳を過ぎると発症しやすくなり、重症化すると帯状疱疹後神経痛などの後遺症が長くつづくこともあります。高齢化や子供の水ぼうそうワクチンの普及により、以前より大人が帯状疱疹にかかりやすくなっています。

予防のためには日頃から栄養バランスの良い食事をとって十分な睡眠をとり、適度な運動を心掛け、心身の健康に気を配って体力を落とさないことが一番です。 また50歳以上の方は帯状疱疹の予防接種を受けることができます。

自費の予防接種ですが、50歳以上で一度も帯状疱疹にかかったことがない人は早めの接種をおすすめします。予防接種を受けることで帯状疱疹やその後の帯状疱疹後神経痛にもなりにくくなります。以前に帯状疱疹にかかったことがある方でも、次第に抗体価が低下していきますので、10年間帯状疱疹にかかっていなかったら予防接種をご検討ください。
現在、帯状疱疹の予防接種は生ワクチン(ビケン)と2020年から接種できるようになった不活化ワクチン(シングリックス)の2種類があり、特徴は以下の通りです。ご希望の方は当院にご相談ください。

ワクチンの種類 生ワクチン
(ビケン)
不活化ワクチン
(シングリックス)
接種回数・方法 1回・皮下注射 2回・筋肉注射
2~6か月間に2回接種が必要
価格 ¥7,500円(税込¥8,250円) 1回¥21,000(税込¥23,100)/ 2回接種が必要です
長所 ・歴史があり安全性が確立されている
・ワクチンが入手しやすい
・免疫抑制剤投与中でも接種できる
・予防効果が90%程度
・持続期間が9年程度
短所 ・予防効果が50-60%程度
・免疫抑制剤投与中は接種できない
・注射部位に腫れや痛みなどの副反応が多い
(1週間程度で改善)
・ワクチン取り寄せに時間がかかる

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とげ(皮内異物)

木製品や木の床、植物のとげなどが刺さり、違和感が生じることがあります。知らないうちに刺さっていて、どこで刺さったのかわからないこともあります。 毛抜きやピンセットを使って簡単に抜き取れるようなら、自分で抜いた後に周囲と押し比べてみて違和感がないことを確認してください。
利き手に刺さってしまい自分で抜きにくかったり、とげが残っていたり、残っているかどうかわからなかったりする場合は、あまり深追いする前に早めに皮膚科を受診してください。

とげ(皮内異物)の治療

患部を拡大してよく診察した上で、異物除去、麻酔、切開などの治療をします。また症状をみて抗生剤の外用や内服を行います。ケガの後に砂が残ったり、鉛筆の芯が刺さり色が残ってしまった時はレーザーで治療することもあります。

異所性刺青について、詳しくはこちら

やけど・低温やけど

やけど(熱傷)は、高温のものが皮膚に触れることによって起こる皮膚の傷害です。
調理中や食事時に熱い調理器具や汁物、油に触れてできることが一般的ですが、最近ではコテであごや首を受傷される女性の方も多いです。
小さな子どもが炊飯器などの蒸気に触れて手のひらを受傷することもありますが、重症化すると手の機能障害を生じる可能性もあり注意が必要です。
やけどをしてしまったらすぐに流水で20-30分程度冷やしてください。流水に当てられない部位にできてしまった時は保冷剤で冷やしますが、冷やし過ぎないように気をつけましょう。冷やした後は、ご自身では何も塗らずに皮膚科を受診してください。
症状に応じてステロイド外用薬や抗生物質外用薬などを使用していきます。
やけどが広範囲にわたる場合は、循環障害から血圧低下を来たす場合があり、全身管理が必要になるため入院施設のある医療機関への受診が必要です。
一方、低温やけどは湯たんぽなどのあまり熱くないものに長時間接触することで起こるやけどです。表面は大したことのない状態に見えても、皮膚の深部にまで損傷が及んでおり、潰瘍化すると治癒するまでに数か月を要することもあります。治ってもやけどのあとが残ることがあるため、感覚が鈍くなっている飲酒後や糖尿病の方は特に注意が必要です。

ひょう疽

ひょう疽とは、爪のまわりの小さな傷から細菌などが入り込み、炎症がおきた状態です。ささくれなどの小さな傷やかぶれ、巻爪などが原因となって生じます。赤ちゃんでは、指しゃぶりが原因になることもあります。爪の周囲が赤く腫れて痛み、炎症が進むと膿が溜まったり、指先の関節が腫れて曲がらなくなったりすることもあります。

ひょう疽の治療

治療としては、原因菌に適した抗菌薬の外用薬や内服薬を使用します。膿が溜まって白くなっているようなら、切開して膿を出すこともあります。
手の荒れやすい人は発症しやすいので、爪の周りのスキンケアを怠らないようにしましょう。

切りきず・すりきず

日常生活において、切りきずやすりきずを負うことはよくあります。すりきずや浅い切りきずを負ったら、まずは流水でよく洗ってください。付着した砂などが取れるようであれば、清潔な綿棒やガーゼで除去します。その後清潔なガーゼなどで押さえて早めに皮膚科を受診してください。

切りきず・すりきずの治療

必要に応じて、洗浄、異物除去、縫合、外用などの処置をします。抗生物質や痛み止めの内服薬を処方することもあります。また状況によっては破傷風の予防接種を施行します。
万一、カッターなどで皮膚の一部を削いでしまったら、その削いだ皮膚を濡れたガーゼに包んで持参してください。

問診票 ご来院の前に記入してお持ちいただけます